古民家再生
 100年、150年を生きてきた家の貫禄のある梁(はり)、古色をおびた柱、そして家全体から醸し出される自然のやすらぎ、吹きぬけの開放感、木ののくもりなど、むかし暮らしの愉しみがたくさんつまった古民家を現代の暮らしにあわせて快適にアレンジしたもの、それが古民家再生である。

 まず長年家を支えてきた良材をじっくり観察し、木のくせや曲がりを見てどのでどう組むかを判断し、それに見合った新しい材料を吟味し木組みを考える現場で使う板の図面、(手板という)を描き仕事が始まる。ハウスメーカーの家とは違うから設計するのは棟梁の仕事、図面が用意されているばあいも軸になる構造が肝心だからこっちで直す必要がある。
パネル工法のような家はどんな設計でも比較的容易に建てることはできる、けれど梁と柱で支える伝説建築は基本の構造をきちんとおさえていないと家の姿にならないのだ。

手板が出来あがったら墨つけを始める。墨壺で線をいれ竹の墨刺しで印をつけてゆく。そうした木組みのための墨付けは、数百箇所にもおよぶ。梁などに使う木は適度に曲がっている方が組みやすく強度も強い。

最近は真っすぐな輸入材が増えたのがなやみのタネ。

やはり古材にはいいものが多い。
一本一本手作業になり刻みを終え現場では最初に中心になる2本の柱(大黒、小黒)に梁を刺して立てる。

 何人もの手をかける大変な作業だ。この柱と梁が構造の要となりそこをベースに柱や鴨居(かもい)をくみ、ひと間づつつくってゆく。
 
屋根を形づくる小屋組も、梁のほか横向きに入れて補強する貫縦に入れる束(つか)など何本もの材を組み合わせる。金物はなるべく使わず「仕口」「継手」という技法をつかい木をつなぐ。仕口は2本の材を十文字や斜めなど角度を持って組む方法、継手とは二本の材を一本につなぐ方法で蟻継、鯱継、金輪継、大持ち、と実にさまざまな種類がある。「仕口」「継手」とどれをとってもとても複雑で表目には到底理解できそうにない。まるでパズルのようだ。
 ホゾや穴をつくらず簡単にボルトで止めてしまう。今のはやりの様式は何十年何百年まで残る良い建物を次の世代をはじめ仕事を一生けんめいにしてくれた職人たちの知恵がぎっしりとつまっている。木を見てそれを生かす眼力が肝心なのである。
 



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