自然素材を用いる最大の理由は、その家に暮らす家族の健康と安全のためです。化学物質を使用した建材はシックハウス症候群といった人体の健康を害する原因となり、大きな問題になっております。本来、住まいとはそこに住まう人々の健康と安全を守るためのものです。にもかかわらず、住まいが健康を害う原因となることなどあってはならないのです。日本では、もともと化学物質を使用することの無い、純粋に木と土からできた住まいが全国に存在していました。そういった古くより伝わる住まいづくりの伝統を脈々と受け継ぎ、次世代に残すことを努めとしているサメジマだからこそ、どこよりも自然素材にこだわった住まいづくりを目指しているのです。
その土地の気候風土に適した自然素材「木」「漆喰」「土壁」。素材にこだわることで、住まいの快適性と耐久性を高めることができます。その土地で育った素材は、その土地の気候に最も適した素材であるため、必然的に最も快適で最も耐久性の高い住まいとなるのです。また、自然素材には天然の調湿作用があります。とくに木は湿度が高くなると湿気を吸い、乾いた風邪が吹くと湿気を吐きます。木は建材に使われても呼吸し続けるのです。この調湿作用により屋内の快適な住環境が保たれるとともに結露から住まいを守ります。結露を防ぐことにより住まいの大敵である腐食から守られ必然的に住まいの寿命は延びます。
何本もの梁と柱を「継手」や「仕口」により組み合わせる伝統的な軸組工法は、頑丈な構造で100年以上もつ住まいを実現します。古来より日本の民家は、こうした伝統工法により金物などを一切使わずに建てられてきました。サメジマはこの伝統技法に基づいた住まいづくりをしております。パネル工法のような家はどんな設計でも比較的容易に建てることができます。
しかし、梁と柱で支える伝統建築では、基本ができていなければ家の姿になりません。木に語りかけ、木の声を聞き、木を知り、木を生かす。そのやり方は、先代より手の感覚や勘によってのみ伝えられてきたものです。どんなに新しい技術や工法が用いられるようになっても、建築の基本は変わりません。梁と柱で支える伝統建築。この、先人たちが営々と築いてきた知恵と技を受け継ぎ、次代に伝えることが大工の使命だと考えています。
私たちはモノを売っているのではなく、家づくりという技術を通して、職人の心、誠意や熱意を売っているのです。そのため工期はなるべく多めに頂きます。三代、四代と住み継ぐことができる住まいづくりは、二ヵ月、三ヶ月では成し得ません。私たちは子や孫が代々住み継いでいけるような二百年、三百年先を考えた良質の住まいを提供したいのです。職人が時間をかけ心をこめて手掛けた住まいは、二百年三百年と時間の流れを超えて残るものであり、その美しさも変らないのです。
木と土だけの自然素材にこだわり、その土地柄と風土に合わせ、伝統を受け継ぐ職人の確かな技術によって築いた住まい。それは環境ホルモンや有害物質、いわゆるシックハウスとは無縁であり、25年から長くて40年もてばいいと言われる近年の住宅と違い築100年以上経ってもなお立派に住まいの役目を果たします。材木は、国産材、特に長野県産材、栗、松、桧、唐松などを使用します。新建材類は使わず無垢材にこだわっています。床から押入にいたるまで職人の手で仕上げます。小屋組に使用する丸太や機械で製材できない大きな材木は、職人が一本一本手作業により心を込めて木を刻みます。和室は勿論、洋間の壁や天井は、職人の手により城壁や珪藻土で仕上げます。
京都の大報恩寺におかめ塚と言うのがあり、こんな話が伝えられている。鎌倉時代、本堂造営の際、棟梁の高次がかけ替えの無い柱の寸法を切り間違えた。心憂していたのを見た妻のおかめは「いっそますぐみを施せば...」と言う一言。この着想が高次を成功へと導いた。がしかし建て方を前にして、妻は自らこの世を去った。女の提言によって棟梁としての大任を果たし得たと言う事が、世間にもれないようにと妻が思いした事だと言う。高次は、亡き妻おかめの名に因んだ福面を扇御弊につけてかざり、妻の冥福と大堂の無事完成永久を祈ったと云われている。今日、上棟式にあげられる、おかめ御幣は、おかめの徳を偲び、永久堅固、繁栄を祈るためだと云われている。
この話を知ったときから、建て方があると、これを思い出す。おかめのような妻でありたいと自分に言い聞かせ、そっと親方のポケットに、おかめのお守りを忍ばせる。棟梁の妻として、皆にけがが無く、無事に、そして男として、立派に棟上げが成功する事を願って...














